主な日射の成分
日射は電磁波として地上に到達しており、その波長により成分が異なります。
成分 | 波長 | 効果 |
紫外線 | 20~400(10-9m) | 日射の約1~2%の分布で、化学作用が強く、細胞の促進、殺菌作用、 日焼けなど健康上に深い関係をもっている |
可視線 | 400~760(10-9m) | 日射の約40~45%分布で、人間の網膜を刺激して視覚を与える |
赤外線 | 760~4×105(10-9m) | 日射の約53~59%分布で、熱線とも呼ばれ、熱効果がある |
日射の種類
●直達日射
大気を透過して直接地表に到達する日射のこと。
●天空放射
大気中の微粒子により散乱され、天空全体からの放射として地上に達する日射のこと。
日射の強さには大気浸透率が影響します。大気の透過度を示すもので、太陽の直達日射の強さと、太陽が天頂にあるときの直達日射量の太陽定数の比率をいう。大気中の水蒸気量やちりや埃などの影響を受け、一般に、夏期より冬期のほうが大きいです。
大気の組成
地表に近い大気は水蒸気を含んだ湿り空気で、水蒸気を除いた渇き空気の成分は、窒素と酸素で大部分が占められている。
成分 | 窒素 | 酸素 | アルゴン | 二酸化炭素 |
原子記号(分子式) | N₂ | O₂ | Ar | CO₂ |
空気に対する比重 | 0.97 | 1.11 | 1.38 | 1.53 |
容積百分率(%) | 78.09 | 20.95 | 0.93 | 0.03 |
大気における異常現象
大気汚染
●硫黄酸化物(SOx)
化石燃料(重油、石炭など)を燃焼させたときに発生するもので、大気中のSOxは、酸性雨となって森林や湖沼の生物に悪影響を与える。
●窒素酸化物(NOx)
化石燃料の燃焼過程で、窒素が酸素と反応して生成される。NOxは、低温燃焼時よりも高温燃焼時のほうが多く発生する。窒素酸化物も酸性雨の原因となる物質である。
●光化学オキシダント
大気中のNOxと、工場などから発生した有機溶剤や石油などの蒸発によって発生した炭化水素に、太陽の紫外線が作用し生成される。光化学オキシダントは、人体に対し喉や鼻が痛むといった症状を起こさせる。その他の大気汚染物質としては、自動車の排気ガスなどから発生する一酸化炭素(CO)や、浮遊粉塵などがある。
●オゾン層破壊
大気の成層圏に存在するオゾン層は、太陽光からの有害な紫外線を吸収し、地上の生物を守っている。しかし、フロンガスなどの放出によってオゾン層が破壊され、有害な紫外線が増加し悪影響を及ぼしている。
●地球温暖化
太陽光の日射により加熱された地表面から、宇宙に向かって熱放射されるとき、大気中の二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスは熱を吸収し空気が暖まる。これが温暖化現象であるが、化石燃料などの燃焼などによってCO2濃度が増加すると、これまで以上に気温が上昇し、気候変動などによるさまざまな悪影響を及ぼすことが懸念されている。